第4章 練習方法 - 最少手数競技入門 by Sebastiano Tronto 第三版
練習方法 (How To Practice)
多くの人は、上達するためには「練習と、練習と、練習が必要です!」と言うでしょう。これは真ですが、練習のやり方を知る必要もあります。ここでは、FMCで上達するための練習方法についていくつかアドバイスをします。
4.1 時間無制限と大会シミュレーション(No Time Limit and Competition Simulation)
常に大会をシミュレーションして1時間以内に解答を完成させるようにすることは一番よい方法ではありません。これと反対に、時間制限を設けないで、結果に満足するまで同じスクランブルを何度もやることをおすすめします。
1時間の時間制限を設けた練習が悪いわけではありません。自分のレベルを判別することができるようになるでしょうし、タイムマネジメントの戦略を探すのにも役立つでしょう1。私がおすすめするのは、FMCのオンライン大会に参加することです。たとえば、David Adamsのウェブサイト2やGerman Forum competition3などがあります。
大会と同じように1時間を使ってやってみてから、よい結果を得るまで続けることが、ちょうどよい妥協点でしょう。
訳注: 2020年1月時点で、上記のDavid Adamsのウェブサイトは動作していないようでした。
Speedcube(rs).deのフォーラム上での大会は継続されています。
訳注: 日本国内においてはTribox Contestが毎週FMCを含むオンラインの大会を開催しています。
Redditのr/CubersコミュニティではCubers.ioというウィークリーの大会を開催しています。
4.2 ペンと紙を使う (Use pen and paper)
絶対に必要なことではありませんが、公式大会と同じように1時間取って練習してみるとよいでしょう。つまり、PCを使ったりせず、紙とペンを使ってやってみるのです。ペンで書くときは、小さくて読みやすい文字を心がけましょう。標準的なA4サイズの紙があれば試技一回分としては十分です。私の場合、紙を横向きににして、二列に分けて使いますが、自分に合ったやり方を色々試してみましょう!
4.3 上級者と比べよう (Compare Yourself to the Masters (and Study their Solves))
練習したいときは、既にどこかでFMC上級者が解いたスクランブル使ってみるとよいでしょう。あなたの解答と上級者のものを比べて、あなたが気付かなかった点を見つけることができます。全ての秘密を手中に収めましょう!
加えて、ブロックビルディングや他の解法の訓練をするのであれば、上級者の解答を研究することは必須です。オンライン大会の過去のラウンドの結果から見ることもできますし、speedsolving.comのFMCスレッドでも見つかるでしょう。数年前、ブログ型のウェブサイトhttp://fmcsolves.cubing.net/を始めて、FMCの素晴らしいソルブ例を集めています。しかし、ここ数年更新していません。
4.4 Hard Scrambles
「最悪ケースのシナリオ」において何ができるかを知るために、上級者でも難しかったというスクランブルをやってみるのもよいでしょう。ここ4で難しいスクランブルのリストを得られます。
4.5 熟考する練習(Deliberate Practice)
よいスタートがなかなか見つからないと感じているのであれば、こういう練習をしてみましょう。スクランブルをして、2x2x2や2x2x3などを気が済むまで探します。そのあと、スクランブルを変えて、同じように続けます。同じ考えをF2L-1や他のサブステップについてやることもできます。
4.6 ファストスクランブル(Fast Scrambling)
必要ではないとしても、NISSのようなテクニックを使うときや、単に私と同じように、ソルブ中に何度もキューブをスクランブルすることがあるなら、「ゆっくり過ぎない」スクランブルを試してみるといいでしょう。最も重要なことは正確性です。(スクランブルを間違えないこと!)20手のスクランブルを10秒でできるようになれば上出来です。
4.7 よく学べ!(Study!)
大事なことを言い忘れていました。このガイドをよく読んで学び、他のリソースからも学び、既知のものも未知のものも含めてアルゴリズムやテクニックを学びましょう。私はspeedsolving.comの「FMCスレッド」を二回、最初から最後まで読みました。
アルゴリズムを学びましょう。膨大な量のアルゴリズムがあります。たとえば、LLEF(Last Layes Edges First)5やSummer Variation6などがあります。繰り返しますが、単に暗記するのではなく、どのように機能しているのかを理解するようにしましょう。